効果的な防疫で拡大を食い止めましょう
国内で豚熱の発生が継続/配合飼料安定基金に関するJA全農の取り組み
2022.10
国内で豚熱の発生が継続
豚熱が関東で続発(2022年3月以降7事例発生)
- ワクチンを接種した農場でも発生しています。
特にワクチンを接種する前や接種した直後の子豚で多く発生しています。 - 豚熱ワクチンは有用な対策資材ですが、豚熱はワクチンを打てばかからない病気ではありません。
- 豚熱発生を防ぐには、日頃の飼養衛生管理を徹底し、特にイノシシなど野生動物・野鳥の侵入を防ぎましょう!
農場防疫の3つのポイント(鳥インフルエンザ・豚熱 共通です)
1 病原体を入れない
- 人、車両は立ち入りを規制する
- 農場内に車両・重機を入れる時は必ず消毒する
- 農場の入場記録をとる
- 立ち入り禁止の看板を設置する
- 飲水は飲用に適したものにする
川水などを使う場合は必ず消毒する - 畜舎の周囲に防鳥ネットを張る
- 農場に入る時は手を消毒し、専用の服・靴を使う
2 病原体を広げない
- 畜舎ごとに専用の服・靴を設置・使用
- 畜舎ごとに踏込消毒槽を設置・使用
- 毎日、家畜の健康観察と記録
- 畜舎が空になったら必ず清掃・消毒
- ネズミやハエを定期的に駆除
- 畜舎出入り時は手を消毒する
3 病原体を増やさない
- 過密を避け、適切な密度で飼育する
- 暑すぎ、寒すぎ、換気不足、すきま風
これらを避けた良い環境で飼育する - 畜舎を定期的に掃除する
イノシシの習性と検査状況
イノシシの習性
昼夜を問わず餌を求めて活動し、味が濃く甘いものが好物です。行動範囲は2~3km四方で、定着と移動を繰り返します。警戒心が強く臆病で人前に姿を現しませんが、慣れると大胆不敵になります。学習能力が高く、餌が食べられると分かると何度も侵入を試みます。
豚熱発生農場の周辺では発生前に豚熱ウイルス陽性のイノシシが見つかっています。
農水省WEBページ野生イノシシ検査状況をチェックしましょう!
https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/csf/wildboar_map.html
配合飼料安定基金に関するJA全農の取り組み
全農の配合飼料安定基金は補てん金の一括補てんを実施
全農の配合飼料安定基金は、高額の補てんに備えてメーカー積立金を上限いっぱいの額まで積み立て、補てん財源の造成に努めてきました。その一方で飼料メーカーによっては平成30年度と令和3年度にメーカー積立を下げた影響で全農基金と比べて補てん財源に差があり、分割で補てんを行っているところもあります。
全農基金は4~6月期のトンあたり9800円の補てん金を、従来のルール通り8月中旬に一括して補てんしました。その結果、生産者の実質負担は1~3月期と近いレベルにとどめることができました。
今後も高額の補てんが続きます。全農基金は生産者の資金繰りを支援するため、会をあげて補てん財源の確保に努め、引き続き補てん金を一括でお届けしてまいります。
全農の配合飼料安定基金への継続契約を
高額の補てんが続いて財源が不足した場合、どのメーカーの安定基金も資金を借り入れて補てんを行います。全農基金は11月に行う7~9月期の補てんから資金を借り入れて一括補てんを行います。
借入資金の返済には来年度以降の積立金の一部をあてます。生産者の皆さまに別のご負担をお願いすることはありませんのでご安心ください。今年の補てん金には過去の積立金だけでなく未来の積立金の一部も使われている状況とご理解ください。
したがって今年度、借入による一括補てんを行うためには、生産者の皆さまに来年度以降も従来通り全農基金でご契約いただくことがたいへん重要になります。
そのため来年度から借入金の返済が完了するまでの間は、令和4年度の80%を超える数量のご契約をお願い申し上げます(飼養規模の縮小などの合理的理由がある場合は除きます)。詳しくは配合飼料の営業担当者にお尋ねください。
国の飼料価格高騰緊急対策
全農は令和4年10~12月期の配合飼料価格について、7~9月期価格を据え置くこととしました。あわせて国は7~9月期と10~12月期の補てん単価の差を独自に試算し、10~12月期の補てん金と別にトンあたり6750円の交付金を出すことを決めました。
配合飼料の据え置き改定と、全農基金の一括補てん、国の交付金の3つを組み合わせると、10~12月期に生産者が負担する飼料コストは大幅に抑えられる見込みです。
JA全農は引き続き、生産者の資金繰りを支援するため、国と協議しながら安定基金の運営に取り組んでまいります。
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