非接触で体重を推定

2023.02

 出荷間際の肥育豚の体重を非接触で推定する最新機器「Hapimo P-Scale ハイコープver.」を紹介します。誰でも簡単に少ない労力で豚の体重を推定できる装置です。出荷豚選畜時の課題解決に向け、ぜひご検討ください。

養豚研究室

適正体重で出荷

 豚枝肉の格付項目の1つに「重量」があります。現在、「上」の等級に該当する枝肉重量は、68kg以上83kg以下(皮はぎ)となっています。そのため、この範囲から外れると格付が「中」以下に落ちるため、販売価格が安くなってしまいます。

 枝肉重量の範囲を生体重に換算すると、枝肉歩留が65 %と仮定した場合、104.6kg以上127.7kg以下になります。出荷目標の生体重は、各生産者が独自に設定していると思いますが、いずれの場合も上物率の維持、もしくは改善には出荷間際の生体重を把握し、適正体重で出荷することが重要です。

豚衡機や目勘での確認

 体重を確認する方法は、「豚衡機による体重測定」と「目勘による推測」が挙げられます。どちらの方法にも長所と短所があり、前者は正確に体重を知ることができますが、豚を豚衡機に追い込む作業が発生するため、多大な労力や人手が必要となります。一方、後者は労力をほとんど必要としませんが、人の主観によるので正確性に欠け、適正体重の範囲外で出荷してしまう恐れがあります。また、目勘を養うにはある程度の経験が必要であり、習熟までに長い時間がかかる点もデメリットです。これら以外の方法として、オートソーティングシステムを用いた選畜方法もありますが、既存豚舎では、装置を導入する際に施設の大規模な改修が必要となります。

誰でも簡単に推定

写真1 Hapimo P-Scale ハイコープver.の外観
[製品仕様]
写真2 撮影の様子

 今回紹介する「Hapimo P-Scale ハイコープver.」は、誰でも簡単に、少ない労力で肥育豚の体重を推定できます(写真1、2)。装置上部の立体カメラで豚を撮影し、豚の立体データを取得すると、撮影から約4秒後に体重推定値が表示されます。

 豚から1.0~1.6m離れて測定するため、豚を追い込む労力が少なく、豚衡機による測定に比べて作業の負荷を圧倒的に軽減できます。実際の体重との誤差は約3%となっており、高い精度で体重を推定できます。

 詳細は、各地域のくみあい飼料もしくは全農畜産サービス株式会社までお問い合わせください。

測定時の様子や方法を示した動画マニュアル

注意事項

「ハイコープver.」は、JA全農が提供する「ハイコープ種豚」から生産された三元豚のデータを基に開発されています。他品種の豚をご使用の場合は、「Hapimo P-Scale」をご検討ください。

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