NEWS(Web PICS2023年実績)
母豚1頭当たり年間離乳頭数は若干回復 枝肉重量は続伸

2024.07

2023年Web PICS集計結果(集計対象期間:2023年1~12月)

 JA全農が提供する養豚生産管理システム「Web PICS」は、2023年12月末現在、全国で約340農場に導入いただいています。本年も「過去12カ月の成績」の提供に協力いただいた農場のデータ集計結果を報告いたします。

 2023年は、223農場からデータを提供いただき、そのうち入力状況(未入力や年途中からの利用開始農場等を集計から除外)や品種(黒豚等を集計から除外)等を確認し、繁殖部門で189農場、肥育部門で117農場を集計対象としました。12月末現在の母豚頭数でみると9万5792頭分のデータであり、畜産統計(23年2月1日現在)の子取り用雌豚頭数79万1800頭の12.1%を占めました。

 集計参加農場数を規模別にみると、母豚1000頭以上は25農場(構成比13.2%)、500~1000頭未満は48農場(同25.4%)、200~500頭未満は66農場(同34.9%)、100~200頭未満は28農場(同14.8%)、100頭未満は22農場(同11.6%)となりました。

繁殖部門 離乳率向上で年間離乳頭数が回復

 繁殖部門の成績では、「5カ月前母豚1頭当たりの年間離乳頭数(以下、年間離乳頭数)」の平均は25.45頭(前年差+0.18頭)と、前年の低下から持ち直しました(表1)。「分娩回数」は2.33回(前年差+0.01回)、「正常産子数/腹」は12.08頭(前年差+0.08頭)、「離乳率」は90.2%(前年差+0.2%)となりました。

 集計結果は「年間離乳頭数/母豚」の多い順に順位付けしています。上位10農場における22年と23年の成績においては「分娩回数」「離乳頭数/腹」「離乳率」「年間離乳頭数/母豚」で成績向上がみられましたが、「発情再帰日数」「分娩率」「総産子数/腹」「正常産子数/腹」は前年の成績を下回っています(表2)。分娩率、総産子数、正常産子数が減少したものの、離乳率向上による離乳頭数の増加で、年間離乳頭数が回復してきているものと思われます。

ハイコープ種豚・繁殖部門成績 総産子数など成績が回復

 集計参加農場のうち、ハイコープ種豚を飼養している107農場の「総産子数/腹」は14.19頭(前年差+0.12)、「正常産子数/腹」は12.16頭(前年差+0.11頭)、「年間離乳頭数」は25.63頭(前年差+0.27頭)となり、前年の低下から回復しています(図1)。

 また、ハイコープ種豚飼養農場の成績は前年に続き全国平均を上回り、「分娩回数」に差はありませんでしたが、「総産子数/腹」(+0.17頭)、「正常産子数/腹」(+0.08頭)、「年間離乳頭数」(+0.18頭)となりました(表1下段)。

一貫経営農場 肥育部門の成績向上

 一貫生産農場(Web PICSで繁殖・肥育両方利用)における肥育部門の集計数は75農場でした。「平均枝肉重量」は75.7kg(前年差+0.8kg)、「出荷頭数/10カ月前母豚数」は24.7頭(前年差無し)、「枝肉重量/10カ月前母豚数」は1891.7kg(前年差+34.7kg)となりました(表3、図2)。枝肉規格の改定に合わせた出荷の影響と思われます。

お礼

データを提供いただいた農場様、データ提供に協力いただいた関係各位に紙面をお借りし、厚くお礼申し上げます。

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